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公務員の方の個人再生

  • 文責:所長 弁護士 秋葉俊孝
  • 最終更新日:2025年8月27日

1 はじめに

公務員の方から債務整理の相談を受ける機会も多いですが、民間企業にお勤めの方と比べて個人再生を希望される方が多い印象です。

そこで、公務員の方の個人再生について、一般的な特徴と注意点を解説していきます。

2 収入の安定性

個人再生を行う方は、将来的に反復・継続した収入があることが必要です。

特に給与所得者再生の場合はその収入の安定性が求められます。

公務員の方は、これらの条件を満たしやすいため、個人再生を申し立てるにあたってプラスになることが多いです。

もちろん収支のバランスを確かめて、履行可能性があるかどうかは検討する必要があります。

3 退職金について

個人再生では清算価値(申立人の財産額)が高くつくと、再生計画による返済額が高額になることがあります。

公務員の方も清算価値の計算方法は変わりませんが、退職金には注意が必要です。

比較的高額の退職金があるケースも多いです。

退職の予定がない方であれば、退職一時金の8分の1の金額を清算価値に参入するのが一般的ではありますが、高額になってくると影響は少なくないため。

清算価値にどれだけの影響が生じるかはよく検討をしておく必要があります。

4 職業制限との関係

破産手続の場合だと職業制限があるため、それをおそれて個人再生を希望される公務員の方が多いです。

しかし、実は職業制限がつく公務員はかなり限定されています。

人事官や公正取引委員会の委員等限られた方のため、一般的な地方公務員や国家公務員の方が破産による職業制限の対象になることはありません。

そのため職業制限を心配して個人再生を考えられている方は、弁護士ともよくご相談いただく必要があります。

5 官報について

個人再生の場合も官報には掲載されるため、それにより発覚するリスクがあることは否定できません。

確かに一般の民間企業に比べれば官報は身近ですが、一般的に全職員について官報をチェックしているものではありません。

もちろん職場や地位によるため一概には言えません。

公務員の方でも一部の方は職業制限とは関係なく職場からチェックされていることがあります。

しかし、一般的な公務員の方については過度の心配は不要なことが多いです。

6 共済組合からの借入には注意

共済組合から借入をされている公務員の方もいらっしゃいますが、特に給与から天引きで返済している場合は注意が必要です。

個人再生の場合、受任時に各債権者に対して受任通知を送ります。これは共済組合も例外ではありません。通常であれば債権者への返済も止めていただくことになるのですが、共済組合からの天引きは止まらない可能性が高いです。

そのため、手続上は本来許されない偏頗弁済が続くことになってしまい、よくても清算価値への計上を強いられる形での解決となってしまいます。

また、勤務先へ発覚することにもなりますので、共済組合から借り入れている方は注意が必要です。

7 おわりに

公務員の方が個人再生をするにあたっての一般的な特徴と注意点を解説してきました。

公務員の方の場合は初動段階で注意すべき点もあるため、個人再生を依頼する場合は弁護士とよく相談しながら対応を決めていく必要があります。

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