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会社からの借り入れがある場合の個人再生

  • 文責:弁護士 秋葉俊孝
  • 最終更新日:2026年2月13日

1 はじめに

個人再生を検討されている方の中には、会社(勤務先)からの借り入れがある方を少なからずお見受けします。

そこで、会社からの借り入れがある場合の注意点について整理してみます。

2 会社からの借り入れも個人再生の対象となること

たとえ会社からの借り入れであっても個人再生の対象となります。

つまり、会社への返済を他の債権者同様にストップしたうえ、認可を受けた再生計画通りに圧縮された債務を3~5年かけて返済することになります。

個人再生は債権者平等の原則が厳格に適用されるため、会社からの借り入れだから特別扱いするということはできません。

もちろん個人再生のことは会社に知られてもしまいます。

とはいえ会社との関係は心配しなくてはいけませんし、職を失うことになればかえって生活が困窮してしまいます。

まずは会社ともよく相談することが重要になってきます。

絶対に会社からの借り入れを手続きに含めたくないということであれば、ご親族等のお力を借りて第三者弁済をすることも検討しなくてはなりません。

3 給与天引きの場合

上記のことは給与から返済額が天引きされている場合も同様です。

そのため、勤務先には給与からの天引きを差し控えていただくようお願いする必要も出てきます。

なお、公務員の方が共済組合から借り入れをしている場合等、天引きが止まらないケースもどうしてもあります。

4 清算価値への計上

天引きが止められなかったケースを含め、会社に対して返済をしてしまった場合は偏頗弁済という扱いになります。

他の債権者からすれば不平等な返済がなされている状態です。

破産手続であれば否認権の対象となりますが、個人再生にはありません。

そこで、返済がなされてしまった場合は、清算価値に否認対象行為の分として計上することになります。

それにより逸出した財産分は賄えますし、債権者間の不平等も解消されることになります。

当然のことながら、最低弁済額を清算価値が上回った場合は返済額が増えるため注意が必要です。

なお、気を付けるべきなのは後で清算価値に計上するから会社への返済をつづけてしまおうというのは許されないということです。

『個人再生の手引』によれば、そういった目的で個人再生を申し立てた場合、棄却の判断に至るおそれがあります。

清算価値計上による解決はあくまでも事後的なリカバリーの手段として考えておくべきでしょう。

5 最後に

通常の債権者より気を配る必要があり、場合によっては会社、第三者弁済を検討するのであればご親族との事前の調整が必要になることもあります。

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